転職活動を行い、上司に打ち明けてから約3ヶ月、いよいよ退職日を迎えることになりました。各拠点を回る中で、在籍した期間での思い出が挨拶をするたびに蘇ります。
まずは始まりの拠点へ
私のこの職場での最初の拠点はEC活動の中心となる、とある倉庫です。当時子会社であった事業の経営管理として入社をしました。本部の経営企画のように華やかさはありませんが、飾らない社風、背伸びしなくてよい自分が出せたのもこの最初の部署のメンバーのおかげでした。その一番挨拶したいメンバーは目から涙が出ることを恐れて、そこは後回しで上の階から順番に挨拶をしていきます。付き合いが長いメンバーには当然思い出があるので、すらすらと挨拶ができましたが、微妙にかかわりのなかったメンバーには軽く話すだけ。当然ではありますが、むしろ挨拶されて気まずかったかもしれませんね。以外な方もわざわざ、挨拶周りに来ている事を聞きつけて、仕事の合間に来てくれたりしました。嬉しかったです。そっけない方も中にはいましたが、お世話になった方のほとんどはキモチを込めて語らいをさせて頂きました。
そしていよいよ最後に一番馴染みのあるメンバーの元へ行きます。もともとは私のチーム下で力を尽くしてもらったメンバー、コロナの影響もあり組織変更となりバラバラで活動はしていた直近です。管掌役員も違い、全くの別の組織となってしまったこともあり、私の退職の話はそもそも知る由もないメンバーとなります。
退職の報告をする…
やはり、組織が変わり私の退職情報は届いていませんでした。各々聞いたメンバーは見事に驚いてくれました。そこから昔話と、今回の経緯について根ほり葉ほり聞かれてました。全員、女性のメンバーでありそして私より年上の大人の女性たちです。結局は最後、別れる人間に何か最後してあげたいと考えてか、おばちゃんみたいに身の回りの物を「とりあえずもってけ」ののりで袋に詰めて渡されました。私の眼がしらは熱くなりましたが何とかこらえて最後まで正気を保って挨拶することができたと思います。
拠点二つ目
現在の拠点となる場所についても、最後の出席するMTGに参加する名目で足を運ぶことで挨拶をしてきました。長い間居座ってもやることがないので、午後半休を使いお昼ごろに帰宅するスケジュールです。まずはじめにいつものように朝、事務所に到着すると、いつもは私が一番早く到着する時間帯であるのですが、この日は2番手です。私よりも先に、同じチームであり、私の業務を引き継ぐことになった女性メンバーが到着しておりました。不思議には思いましたが、いつもののように「おはようございます」のご挨拶。すると彼女のバッグから紙袋が登場です。中身はなんと、送別会でおねだりしていた「電卓」です。正直、送別会の贈呈品がF1キャップとなっていたので残念に思っていたのですが、仕方ないとあきらめていた品です。
「電卓」の経緯を聞くと、彼女個人からの贈り物とのことです。非常に感謝しました。送別会の贈呈品については、幹事は彼女のはずであったのですが、上長陣が勝手に盛り上がり収集がつかなくなったとのことです。大いに感謝の気持ちを伝えて、やはり二人っきりであることもあり、つもる思い出話をしていきます。その後、他のメンバーも出勤してきていつもの事務所です。日常の風景が流れていきます。
会議の内容がてんこ盛りであったこともあり、終了する時間帯では参加した方々はぐったりです。時間もなかったので最後に締めの言葉があり会議が終了と思いきや、最後に上司である執行役員から私の名前を指摘されて、最後に挨拶とのことでした。こちらも何度か挨拶をさせて頂いていることもあり手短に終えました。会議終了後に出席者は各々の業務や別のMTGに行ってしまうこともあり、手早く捕まえて各々と挨拶をしていきます。それぞれに思い出のあるエピソードがあり、こちらも名残惜しい別れの挨拶をさせて頂いております。
ぼつぼつとメールでのメッセージも…
挨拶しきれなかった、会うタイミングがなかったかたからもチャットやメールで惜別のメッセージを頂きました。正直このメッセージをもらって私はようやく退職する実感がわいてきたのが本音です。可能な限り頂いたメッセージにも返信していきます。意外な方からメッセージをもらうこともあり、自分が行ってきたことが役に立っていたことを実感することができました。
そして最終出勤日です…
そしていよいよ最終日となり、社有PCなどの貸与品を返却するべく本部へ向かいます。本部では主に経理・財務部の方へ挨拶を行い今後の話、特に私が在籍していた事業への手厚いフォローをお願いしてきました。入社以来、バトルを繰り広げてきた経営企画のメンバーおよび総務メンバーはこの日が決算発表日であったこともあり本部には不在でして誰とも挨拶るることなく終わってしましました。
PCを返却して自宅に帰り、アカウントが消される前に全体のメーリングリストを使って最後の挨拶を送信します。これで私のこの会社での業務が終わった瞬間でした。帰宅途中にふとお気に入りのケーキ屋さんの前を通ったので立ち寄って、プリンを家族人数分を購入して、転職活動の背中を押してくれた妻への感謝としてプレゼント。何もわかっていない子供と3人でプリンを食べて終了です。
最後の挨拶メールについても数人の意外な方々から折り返しのメッセージを頂き、驚きの声が多数ではありましたが感謝の気持ちを伝えられて思わず涙です。
複数回、退職はしているものの今回の退職は人生で一番、温かい退職となり円満退職と言える状況であったと感じます。いよいよ次から新たな職場となりますが、最後の週末で初出勤日の覚悟を整えて新天地に足を運ぶのでした。