補助簿 手形記入帳の書き方

みなさん、お越し頂きましてありがとうございます。さるやです。
今回のテーマは【補助簿】の補助記入帳の役割をはたす「受取手形記入帳」「支払手形記入帳」を紹介、解説していきます。すでに記事で書かせていただいた「現金出納帳」や「当座預金出納帳」と並び日商簿記3級の検定試験を前提にすると第2問、第4問目で出題される可能性があります。またこの内容は2級の検定試験においても登場してくる重要な内容です。
難しい話はないのですが、知らないと解けない問題が出題されまのでしっかり確認しましょう!
☆彡「受取手形記入帳」
受取手形記入帳は簿記の債権:「受取手形(資産)」が増減する取引の明細情報を記録する補助記入帳です。したがって仕訳では、左側、右側のどちらからに受取手形の仕訳を行った時点で記入の必要が出てくるものとイメージしてください。では範例を絡めて紹介します。
範例① 4/5 A社は商品を50,000円でB社に売上、約束手形(♯6:満期日5/15:H銀行)を受取った。
上記を仕訳にすると、下記のようになり左側に「受取手形」の仕訳が行われることになるため「受取手形記入帳」に補完情報を記入していきます。

この情報を受取手形記入帳に記入すると下記のようになります。

左側の欄から順番に追跡解説いたします。まずは取引のあった日を記入します。範例①は4/5でした。摘要欄には基本的には相手科目を記入します。今回の仕訳の相手は「売上」となります。手形の種類は今回、問題文の文章中にあった「約束手形」を記入します。そして手形番号は#6とあった「6」を記載します。支払人、振出人欄は今回B社です。満期日、支払場所は範例①の問題文の記載の内容をそのまま写してきています。そして金額は50,000円の取引額を記入しています。ここまでの内容が仕訳では右側、受取手形50,000円と仕訳した取引の補助内容となります。手形取引は特に、いつ、だれから、どの場所でお金は支払を受けることができるのか非常に重要な補助情報となります。
続いて決済日です。
範例② A社は本日、手形の満期日につきB社より額面金額を現金で受取った。

この右側、受取手形の仕訳の情報を下記のように顛末欄に記入していきます。
以上が受取手形記入帳の記入方法例となります。記入方法自体は非常に簡単であるかと思います。
☆彡「支払手形記入帳」
続いて支払手形記入帳です。支払手形記入帳は簿記の記録する対象の取引において「支払手形」が増減する取引のさいに記録される補助簿です。したがって左側、右側のどちらかに「支払手形」の仕訳が行われた内容についての補完情報を記録していきます。
記入方法自体は先ほど解説させて頂きました「受取手形記入帳」と全く同じです
記入例を下記に示させて頂きます。

上記示したように見た目は受取手形記入帳と同じように見えてきます。そのせいか、実際の日商簿記検定試験において次のような資料出題がされる問題も登場しています。
出題例
下記の手形記入帳を仕訳に直しなさい。

御覧頂いている通り、「補助簿の名前」が記載されていません。手形の種類の欄があることから手形記入帳であることは判断できるのですが、「受取手形記入帳」なのか「支払手形記入帳」なのかは資料を見て各自で判断です。
みなさんは与えられた資料(上記)でどちらの手形記入帳であるかを判断できますか?
この手の問題は見分けるポイントが1つあります。それは下記に示した場所です。


「支払手形記入帳」と「受取手形記入帳」を比較してみると、黄色に塗りつぶした箇所に違いが出てきます。黄色の欄が「受取人」であればそれは「支払手形記入帳」を意味し。黄色の欄が「支払人」であればそれば「受取手形記入帳」を意味します。
このように見分けるポイントはしっかりありますので、紹介した判断するポイントを覚えておいて頂き、試験に出題されたら確実に得点に結びつけてください。
以上、手形記入帳の紹介でした。
最後までお読み頂きありがとうございます。