Vo.2 貸借対照表

 来訪頂き、ありがとうございます。さるやです。

 今回は①一定期間の経営成績を表す書類「損益計算書」と記録としても密接な関係である②一定期日の財政状態を表すために、簿記の記録を使って作成されていく,貸借対照表の紹介です。

 一定期日の財政状態を明らかにするための報告書なのですが、こちらも難しく考えず単純にいきましょう。つまりは、現時点(月末時点など)の会社の財布はどんな状況ですか?と言うことです。私の財布には紙幣が3枚、硬貨が30枚などと財産額を示してあげます。ただ、三日後に返済しなければいけないお金があるので、実質はこれくらいです。ということを報告します。「財政状態」というのはお金のやりくりを考慮して報告してくださいということです。財産のバランスということなのかはさておき、別名Balance sheet、通称B/S(ビーエス)と呼ばれています。ここからポイントです。簿記の学習をする上で大切な話をします。損益計算書のときも同じようにしていたのですが、貸借対照表はお金を記録する区分を大まかに三つに分けて記録していきます。①資産②負債③純資産の三つです。①資産は現金そのものや換金価値がある物や権利を記録する区分です。②負債は一定時点から将来にわたりお金を支払う義務を記録する場所です。③純資産は①資産から②負債を考慮した実質的な手残りを記録する場所です。算式に表すと下記のようになります。

貸借対照表は左側に①資産、右側に②負債と③純資産を配置します。例えば、①資産として現金で10万円、車で50万、他人に貸したお金40万円の合計100万円の資産を持っていたとします。※貸したお金40万円は返してもらう権利がありますので資産です。一方、後でお金を支払わなければならない義務は②負債としては実は借金があり30万円あるとすると、①資産100万円のうち純粋な自分自身の手残りは③純資産70万円ということになりますね。

 また視点を変えると、手元に③純資産70万円がある。商売をしたいが軍資金が足りないので②負債30万の借金をした。合計100万円を①資産10万円だけ残し、車を買い、残りは運用として他人に貸したと言う見方もできるのです。このような見方が出来ることもあり、貸借対照表の右側は「資本の調達源泉」を表し、左側は「資本の運用形態」を表すと言われています。

 このように、貸借対照表も損益計算書と同じように記録する区分をきめ、左右に配置することにより、左右の合計金額が一致する性質を持っています。簿記の検定試験を念頭に置く場合は非常に大切なイメージになります。損益計算書とあわせて固めてください。次回、概要を触れさせて頂きます「仕訳」「勘定」と言う話と密接な関係にあります。試験を念頭に読んで頂いている方は、損益計算書と貸借対照表の体系図のイメージを意識しているか、いないかで勉強の質に差が出てきます。苦しい学習にならないように是非とも覚えておいて欲しい内容となります。

 最後までお読みいただき、ありがとうございました。次回も宜しくお願い致します。

さるや
  • さるや
  • 鎌倉市在住/簿記の元講師/現在は一般事業会社にて経営企画として経験を積んでいます。/専門は工業簿記・原価計算/社会人講座クラスを3級・2級・1級工業簿記を担当

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