Vo.3 総勘定元帳 ~簿記の記録:その1~

来訪いただき、ありがとうございます。さるやです。

本題に行く前に、前回までのおさらいを軽く触れさせて頂きます。

簿記は単純にいうと「お金を記録するルール」であるとし、そのルールに基づいて

  • 一定期間の経営成績を明らかにすること
  • 一定期日の財政状態を明らかにすること

 上記を示すために損益計算書と貸借対照表の二つの報告書があることに触れさせていただきました。二つの書類は記録した結果を示す場所として存在しており、「収益・費用・資産・負債・純資産」の五つの区分があることを説明させて頂きました。ちなみに利益は収益と費用の計算結果となりますので区分としていません。この五つの区分は簿記の検定試験を踏まえる場合、意識して勉強するか、しないかで非常に勉強の質に差が出るものですので重要であることも話をさせて頂いております。

今回は、もう少し具体的な記録方法について説明していきます。

 損益計算書と貸借対照表は結果を示す場所です。損益計算書は「一定期間」の記録の結果となります。貸借対照表は「一定期日」です。さて皆さん、質問です。「一定期間」つまり1年間や3ヶ月分のお金のやり取りを今すぐ聞かれて、完璧に答えられますか?「一定期日」ある特定の日に財布の中身がいくら入っていたのか完璧に答えられますか?普通の人は不可能です。覚えていられません。しかも完璧にですから、1円たりとも間違わずにですよ!? 無理です。絶対に無理です!

曖昧に答えてもいけません。2つの書類は自分以外の人が重要な意思決定をする参考情報です。嘘ついていたら・・・・・

ということで、覚えていられないことはメモや記録をとっていくことになりますよね

なので簿記は「日常のお金を記録するルール」を学習することになるのですよ。日常、毎日お金の収支を要因と状態の2つの視点から記録していくことになります。その結果を損益計算書や貸借対照表に示していくことになります。

 ここで新しい内容の登場です。「仕訳帳」と「総勘定元帳」の二つです。この二つは損益計算書・貸借対照表をいざ作成するときにあたふたしないための、記録するノートと考えてください。簿記の由来でもありました「帳簿へ記入すること」の話です。

 まず「総勘定元帳」です。この記録簿は現金、預金、建物、売上、仕入・・・・などなど、記録するページが存在していて一冊のつづりになっているノートです。実は損益計算書や貸借対照表を紹介したさい「収益・費用・資産・負債・純資産」と五つの区分を紹介しましたが、その各々はさまざまな要因、財産として細分化されていきます。細分化された項目を用語として「科目」と呼び、細分化された内容を科目別に記録する場所を設定します。この場所を「勘定口座」とよび各々の名称となった科目を「勘定科目」と呼んでいきます。また、検定試験対策として多くしようされる下記の形はT字をしていることから「T字型勘定」通称「T勘」と呼ばれています

 上記はあくまで1例です。数を上げればきりが無いので目安として、3級で登場する勘定科目は100個程度と言われています。この科目の数が勉強を苦しくさせる1つの理由です。私自身も講師のときは「最終的には覚えましょう」と伝えていました。この「覚えましょう」の一言の伝え方が難しかったです。暗記に誘導させてしまっていました。暗記は社会人にとって耐え難い苦痛の勉強方法です。時間に余裕があるかたは力技が可能ですが、勉強時間の少ない社会人の方にとってはものすごく苦痛ですよね・・・私が「最終的には」とつけていた意図は「今すぐでなくても良い、後々勝手に覚えていく」と言うことを言いたかったのですよ。なぜなら簿記の勉強は反復練習が必須です。検定試験を意識した場合、試験時間2時間で、問題が全て終わらないという悩みの方が非常に多いです。多くの方が問題を呼んで反応できず、考えてしますという傾向があります。しっかりと試験問題を終わらすためには、問題文の言い回し、用語に対する慣れが必要となりますので問題を読んで反応する体質作りが非常に大切なのです。試験でなければ、調べながら出来るのですがね。

そしてさらに付け加えます。「勘定科目」はその特性ごとに、増加する記録するときはT字の左に記録したり、右に記録したりバラバラです。ちなみに減少する記録もありますからね。ちなみに売上は増加したらT字の右側に記録、減少したら(返品などで)左側に記録します。

 この増加要因・減少要因を記録する方向は決まっています。この決まりを勘定科目ごとに覚えていくのが苦痛なのです。単純計算3級の簿記を前提で100個×2パターンで200通りの記録方法を暗記に走る方も・・・・

ということで、勉強の負担を軽くする覚え方を紹介します。そもそも何で例の売上は増加したとき右側で減少したとき左側に記録されるのか。それは、売上は「収益」に属する科目だからです!もう一度おさらいします。「勘定」は何で存在していましたっけ?それは五つの要素「収益・費用・資産・負債・純資産」の記録結果をさらに細分化して記録する場所と解説させて頂きました。なので、勘定科目は五つの要素のどれかに属していることになるのです!例に戻ると売上は「収益」なのでお金が増加し要因です。ただ返品などの理由で減ることもあります。①10日前に1,000円でりんごを売りました。②3日前に一部300円分の返品がありました。とするとこの10日間(一定期間)でお金を増やした要因は700円分しかないことになります。それを売上勘定では下記のように記録していきます。つまり勘定自体でも売上だけの計算が出来る状況となっており売上勘定の残高として700円しかありませんというような記録がすぐ報告書となる損益計算書に移すことができるのです。

損益計算書・貸借対照表に移されていく記録はあくまで細分化された勘定の残高です。

残高を意識した報告書となると各要素は下記のようにまとめられます。

ということで上記をまとめ、記録する残高をまとめると

 いかがでしょうか、勉強の負担はぐっと減ったと感じがしませんか?とはいえ、簿記の検定試験を踏まえると、一つずつ登場してくる勘定科目の各論を勉強していううちに、どの性質に属するのか意識が遠のいてきます。今回も書きますが、勉強の質を高めるために五つの要素のどれに当たるかを意識することが非常に大切です。

 今回は記録方法について書かせて頂きました。まだもう一つの日々の記録をとる「仕訳帳」があるのですが、長くなりますので次回書かせていただきます。

では、最後までお読み頂きありがとう御座いました。次回も宜しくお願い致します。

さるや
  • さるや
  • 鎌倉市在住/簿記の元講師/現在は一般事業会社にて経営企画として経験を積んでいます。/専門は工業簿記・原価計算/社会人講座クラスを3級・2級・1級工業簿記を担当

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