簿記3級 クレジット売掛金の仕訳

みなさん、お越し頂きましてありがとうございます。さるやです。
今回のテーマは2019年度6月検定より日商簿記3級の出題範囲となりました新論点の「クレジット売掛金」について解説させて頂きます。
内容を読む限り特段難し論点は見当たりません。難易度としては難しくありませんので、確実に得点できる論点になっていくであろうと予想しております。
クレジット売掛金とは?
クレジット売掛金は債権の決済処理ルートが通常の売掛金と少し違っているという理由から、通常の売掛金と区別して勘定記入していく目的で区分しているようです。少しだけ通常の売掛金との違いはありますが、単純に呼び名を変えて分けて記録するだけと考えてしまえば非常に簡単です!
区分する理由としては、クレジットによる売上の場合、会社と取引先との間に信販会社が入ります。通常の売掛金は会社と取引先のみで成立です。信販会社が間に入ることによって、売掛金の取立の確実性が増すメリットがありますが、その代わり手数料も支払うデメリットも登場してきます。小売業界を前提とするとお客様は多岐にわたり、その個人にたいして取立管理をするとなると膨大な手間がかかりますので、それを考えると手数料を支払ってでも取立を確実に行いたいことからクレジットの売掛金については合理的なのかもしれません。
クレジット売掛金の属性ですが、売掛金と同じ「資産」です。増加すれば左側に仕訳をして、減少すれば右側に仕訳を行うことは、通常の売掛金と全く同じです。
手数料の取り扱いは通常売上を計上した時に差し引いて計上することが予想されますが、あとでまとめて支払うことも問題としては登場するかもしれませんね。
今回は売上計上をしたときに一緒に処理する方法を確認していきます。
範例① A社は商品50,000円を売上、代金はクレジット(手数料は商品代金の3%)カードで支払われた。

仕訳の解説です。商品を売上たため、右側、売上50,000円です。左側ですが、今回手数料が発生しています。問題文の資料のとおり、売上額の3%ですので、50,000円×3%=1,500円となります。この1,500円を差し引いた残りが後で信販会社に請求できる権利となりますので、それを「クレジット売掛金(資産)」で記録します。左側、クレジット売掛金48,500円、残りが支払手数料(費用)1,500円と仕訳して左右が一致します。
次はクレジット売掛金が取立られて減少するタイミングの仕訳を確認していきます。
範例② A社は先に発生したクレジット売掛金について当座預金に入金された。

通常の売掛金を単純にクレジットと取引であることを理由に区別しているだけにすぎませんので、権利が消滅したときも処理の考え方はまったく同じです。
今回は掛け代金が当座預金に入金されましたので、左側、当座預金48,500と仕訳を行います。その代わり、債権であるクレジット売掛金が消滅していきますので、資産の減少を表す仕訳となり、右側、クレジット売掛金48,500円と仕訳して完了となります
2019年6月検定からの新論点となりますが、身構えるほど難しい内容ではありません。怖がらずに他の論点と同じように練習問題を解いていけば必ず得点にむずびつく内容です。反復練習のためしっかりと時間をとって問題を解きましょう。
以上、クレジット売掛金の解説とさせて頂きます。新論点の初年度は応用的な論点にはまず絡まない優しい問題で出題されるはずです。基本をしっかり押させていきましょう。
最後までお読み頂きましてありがとうございました。