電子記録債権・債務の仕訳

みなさん、お越しいただきましてありがとうございます。さるやです。
今回のテーマは2019年6月検定より出題範囲に入りました「電子記録債権・債務」の内容を解説させて頂きます。
電子記録債権・債務とは?
電子記録債権・債務とは手形取引における下記の問題点を改善させて新しい金銭債権、つまりお金を請求する権利の資産の仲間です。
手形取引については実務上、下記のデメリットがあるといわれています。

電子記録にすることによって、紙媒体からペーパレスとなり、データで管理です。紛失を防止するとともに、管理も楽になるはずです。そして印紙も不要になります。このような理由で最近では電子記録による債権・債務の取引が増加傾向とのことなのです。

電子記録債権・債務は電子債権の記録機関が管理する記録する場所に必要事項を登録することで権利が発生する仕組みです。
債権・債務が発生するタイミングについては下記の2つのケースが考えられます。

一応2つと言われているので上げましたが、取引関係のあるどちらかが、電子記録を使用する意思表示があれば発生します。
これら債権・債務の増加・消滅は、結局のところ資産、負債と同じ話なので、売掛金などのほかの債権・債務と同じです。
債権側
では、まずは債権側、あとでお金の請求する権利が発生する方を見ていきます。
範例① A社は商品を50,000円で売上、代金の受取に電子記録債権をもちいることとした。

まずは商品を売上ましたので、右側売上50,000円、そして手形や売掛金と同じ資産として、今回の取引で「電子記録債権(資産)」を使用しましたので、左側、電子記録債権50,000円と仕訳します。
範例 A社は先に記録していた電子記録債権50,000円について、当座預金に振り込まれた。

あくまで、売掛金や受取手形と考え方は一緒です。当座預金口座に代金が振り込まれました。左側、当座預金50,000円、そして代金の回収が完了したため、お金を請求する権利が消滅します。右側、電子記録債権50,000円と仕訳して完了です。
債務側
今度は反対の立場である、お金を支払う義務が発生する方を見ていきます。
範例③ A商店は商品80,000円を仕入れ、電子記録債務の記録を行った。

繰り返しになりますが、新しい内容とはいえ、大きな括りで語ってしまえば、買掛金や支払手形と同じ債務の話です。難しく考えず問題は解きましょう。
商品を仕入れたので左側、仕入80,000円、後でお金を払うことを選択したのでしょう。電子記録債務の記録を行ったため、債務の発生です。右側、電子記録債務80,000円と記録していきます。電子記録債務は負債の属性です。
範例④ A商店は先に記録していた電子記録債務について本日、先方の当座預金口座振替を行った。

仕訳の解説となります。口座振替を行ったので 右側、当座預金80,000円と仕訳します。これによって、後でお金を支払う義務(債務)が消滅します。よって、左側、電子記録債務80,000円と仕訳して完了です。
序盤で電子記録債権・債務についてのウンチクを並べましたが、正直な話、試験対策としてのみ考えるのであれば、売掛金や買掛金と同じ仲間の、債権・債務の内容です。
実際問題、実務で触れるときに細かい話はおのずと覚えますので、試験勉強と割り切って問題が解ける状態になることを一番の目的として、その他の内容と合わせて問題集を反復練習していきましょう。
最後までお読み頂きまして、ありがとうございました