簿記3級 消耗品・消耗品費の決算仕訳

※2019年6月検定より消耗品費の決算整理の取扱いの改定がありました。本記事は改定前の情報となります。ご注意ください。

お越し頂きありがとうございます。さるやです。

今回のテーマは日商簿記3級の検定試験に出題されやすい内容の1つである「消耗品費」勘定と「消耗品」勘定の解説をしていきます。

いまさら感の話ではありますが一般的に消耗品という言葉をしようすると単純に消しゴムや使い捨ての袋など、使えば無くなってします「モノ」を指すのが普通です。

今回の話で登場してくる「消耗品費」と「消耗品」の話は簿記が前提です。扱っている内容は同じ「モノ」の話ではあるのですが考え方によって仕訳の方法を変えています。その考え方が難しく考えてしまい、正しい解答へと導きにくいのかもしれません。

簿記では2つの考え方があり、どちらの方法を選択するかは会社のキメです。その方針に従ってください。試験を受ける立場にとっては問題文の指示が絶対です。それを示す資料をしっかり読み解きましょう。

考え方とその際に使用する勘定科目、そして決算整理仕訳までの流れを見ていきます

「消耗品費」

「消耗品費」は消耗品の購入時に現金などの資産を減少させる要因として費用の属性になる勘定科目です。また。考え方として、消耗品は使うことを前提に購入するのだから、未使用品は少ないはず、したがって購入時点で全部、消費したとみなす考え方をしています。

期中購入時の仕訳を紹介しておきます。範例を交えて解説していきます。

範例① A商店は消耗品を10,000円購入して、代金は現金で支払った。なお購入時は「消耗品費」勘定を使用すること

仕訳の解説をしていきます。消耗品を購入したことにより現金を支払いました。右側、現金10,000円として資産の減少を記録します。そしてこの資産の減少の要因は消耗品を購入したことが原因です。この要因を「消耗品費」(費用)の勘定科目を使用して仕訳します。左側、消耗品費10,000円と仕訳します。これが購入時の仕訳です。これを踏まえて決算を見ていきます。

範例② A商店は消耗品を数えたところ3000円分が未消費分として残っていた。

上記のように、あくまで全部消費するとみなした方法を取って仕訳をしているため決算のときに実際の残りとズレが生じます。このズレを修正していく一連の仕訳のことを「決算整理仕訳」と言います。今回は実際には3,000円の消耗品が残っています。未使用分は後で使用ができる資産です。ですが今時点で、この資産については一切記録していません。したがって下記のような仕訳をきります。

この仕訳を決算に行うことによって下記のような勘定記入がされていきます。

決算整理仕訳を行うことによって矢印の言葉である「振替」と呼ばれる処理がされることになります。「振替」と言う言葉の意味は単純に「移動させる」の意味です。今回は仕訳を行うことによって、消耗品費から3,000円を減少させる代わりに消耗品を3,000円増加させたことを意味しています。よって「消耗品」はまだ未使用な資産を表す勘定科目となり未使用品のあるべき金額3,000円が消耗品勘定に記録され、実際に消費した分7,000円が消耗品費勘定の残高として修正されていきます。これが購入時に全て消費するとみなしたときの処理です。

「消耗品」

今度は反対に、購入時にはまだ消費していないので、一旦後で使う資産として記録する方法です。考え方は先ほどの「消耗品費」全て消費とみなすやり方の反対と考えてください。

範例③ A商店は消耗品を10,000円購入して、代金は現金で支払った。なお購入時は「消耗品」勘定を使用すること

仕訳の解説を行います。消耗品を購入して現金を支払っているので、右側、現金10,000円と資産を減少させます。その代わりに今回は「消耗品」(資産)で記録する旨の問題文の指示から左側、消耗品10,000円と仕訳してください。この時点では一切消費は行われていません。これを踏まえて決算を迎えます。

範例④ A商店は消耗品を数えたところ3000円分が未消費分として残っていた。

上記のように範例②と同じ表現です。決算時に3,000円分しか残っていなかったことになります。逆に言えばこれは10,000円-3,000円=7,000円分を消費したともいえます。しかし記録上は決算まで何もしていませんので、消耗品=未使用分が10,000円残っていることになってしまい記録にズレが生じています。このズレを決算整理仕訳で修正します。

この仕訳が行われることによって下記の勘定記入が行われます。

上記のように、消耗品(資産)の勘定から消耗品費(費用)の勘定に7,000円分が移動され正しい資産の残高3,000円と消費した7,000円に修正されたことになります。

まとめると簿記上で「消耗品費」「消耗品」は下記のような考え方で使用しています。

どちらの方法で出題されたとしてもどちらかの正しい金額が想像できれば、おのずともう片方の修正も自動的に出来ます。覚えやすい方法で実践してみてください。

以上、「消耗品費」「消耗品」の決算整理仕訳の解説でした。身につける仕訳の数がかなり増えてきていると思われます。手持ちの問題集を利用して、反復練習を行い身につけていってください。

最後までお読み頂きありがとう御座いました。次回も宜しくお願い致します。

さるや
  • さるや
  • 鎌倉市在住/簿記の元講師/現在は一般事業会社にて経営企画として経験を積んでいます。/専門は工業簿記・原価計算/社会人講座クラスを3級・2級・1級工業簿記を担当

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です