簿記3級 債権・債務⑤ 期中取引

お越し頂きましてありがとうございます。さるやです。
今回のテーマも続・債権債務ということで、「仮払金」の解説をしていきます。
比較的単体で出題される論点であり、会社にお勤めの方は一度は仮払申請などと事務手続きを行ったことがあるのではないでしょか?
仮払金
イメージとしては、仮払申請を思い浮かべて頂ければまったく問題ありません。学生のかたなど経験のない方は、例えば子供時代に参考書などを購入する目的はあるが、具体的な金額がわからず「とりあえず1,000円あげるから、これで買える参考書を買って、おつりはかえしてね。」などとご両親とのやり取りの経験はないでしょうか?流れとしてはその経験とまったく同じ内容を会社の立場になって行っていると考えてください。
仮払金で想像し難いうえに、私自身も講師時代、伝えるのを苦手にしていたのが勘定科目としての属性です。結論から申しますと「仮払金」は資産となります。ある種、お金を一時的に支払って、その一部が後で現金のまま返金されるか、モノになって返ってくるなどの考え方で金、モノに変えられる権利と考えています。しっくりこない方ごめんなさい。
伝えにくい言い訳もしておくと、「仮払金」は一時的な金銭のやり取りで、大まかな目的はきまっているが具体的な金額が決まっていないときに使用されるのでモヤモヤするんです。
とりあえず、範例を見ながら、イメージを固めてみましょう。
範例① A商店は従業員の交際費として仮払申請をうけ50,000円を現金で渡した。

仕訳を解説していきます。現金を従業員に渡しましたので右側、現金50,000円として記録します。そして左側です。この時、従業員は交際費として使用する目的であっても具体的な金額がまだわからず、とりあえず50,000円と申請しています。このとりあえずは、もしかしたら、接待の日にちがズレていり予定変更となり、使わずそのまま戻ってくる可能性もありますし、カフェなどで商談して5,000円で済むかもしれませんし、高級料亭で値段がわからず実際は80,000円かかるかもしれません。はっきりとした金額は不明の状態ではあるが、一時的に金銭を支払っていますので何らかの記録が必要となります。そのような時のための勘定科目として、「仮払金」を使用していくことになります。したがって左側、仮払金(資産)50,000円と記録します。
精算のときは?
実際の清算のタイミングを見ていきます。
範例② 従業員より本日、仮払の精算があり、交際費49,000円と報告があった。

上記のように実際の金額は49,000円と報告があったため、交際費として49,000円使ったことが確定しました。確定した事実を仕訳に記録します。左側、交際費(費用)49,000円と記録してください。そして現金1,000円は当然返金されますので、左側、現金1,000円です。この結果、「仮払金」の50,000円は交際費として消費され、現金1,000円として戻ってきたため、資産が減少します。右側、仮払金(資産)50,000円と記録していきます。
範例でみたほうが早い内容でしたかね。先ほどの範例は仮払の範囲内で交際費が収まりましたが、オーバーしたときを見ておきます。
範例③ 従業員より本日、仮払の精算があり交際費80,000円と報告があった。不足分については、現金で支払った。

範例③は不足が出るシチュエーションを紹介していきます。交際費は80,000円です。これば事実として記録します。左側、交際費(費用)80,000円です。この一部は先に50,000円を仮払として従業員に渡しています。なので、それを消滅させます。右側、仮払金(資産)50,000円は範例②と同じです。不足額が発生していますのでそれを現金で追加で渡しています。右側、現金30,000円となります。
以上が仮払金の解説となります。仮払した金額内であっても、不足が生じても最終的には「仮払金」は消滅させて終わっていきます。
最後までお読み頂きありがとうございます。次回もよろしくお願いいたします。