簿記3級 債権・債務④ 期中取引

お越しいただきありがとうございます。さるやです。

今回のテーマは「立替金」と「預り金」となります。この2つは債権・債務の話になるのですが、派生論点、問題の出題パターンが比較的作りやすいのか、検定試験には多く出て来ている論点です。今回のテーマはただの債務・債務と読まず、派生論点の解説のほうが厚かったりします。是非とも覚えて練習してください。

立替金

まずは、「立替金」から解説していきます。此方は別の記事を読んで頂いた方にとっては復習の話です。どこで登場してきたか覚えていますか?

商品売買の売上諸掛の話で登場してきました。よろしければ、下記もどうぞ(^-^)/

簿記3級 商品売買「諸掛」https://saruyajin.xsrv.jp/boki3syouhinbaibaisyokakari

内容は全く同じです。勘定科目の属性は資産でしたね!あとでお金を受け取れる権利でした。今回は範例のシチュエーションを変えて、解説していきます。

範例① A商店は従業員より給料の前借り申請を受けて、50,000円を現金で渡した。

上記の仕訳のように、この場面において現金が減少したため右側、現金(資産)50,000円と記録します。この50,000円は給料からの前借りです。つまり、給料日にこの前借り額はお金を支払わなくて良い権利となります。したがって復習にはなるのですが、(資産)である「立替金」は権利が発生したので左側に記録することになります。左側、立替金(資産)50,000円です。そしてこの権利は給料日になって消滅します。下記給料日の範例です。

範例② A商店は本日給料日につき、給料200,000円について、立替金を差し引いて現金で支払った。

給与は会社の立場で考えると、お金が減少する要因です属性は費用となります。普通の生活をしていれば、給与は会社から貰えるものですが、簿記は会社の視点になって考えることがポイントです。注意しましょう。なので、費用の発生は左側に給与200,000円、右側に先に渡してあった立替金を権利の消滅(給与50,000円を渡さなくてよい権利)を記録して残りを現金で150,000円右側に記録します。

ちなみに、日商簿記検定試験で問題出題のされ方、資料の与えられ方によっては、立替金と同じ資産である「前渡金」という勘定科目を使用する場合もあります。問題資料をしっかり読み取って解答してください。

預り金

では、つづいて「預り金」を解説していきます。「預り金」の属性はあとでお金を支払うことになる負債です。範例を交えて理由を解説していきます。

範例③ A商店は本日給与支給日につき従業員に200,000円を支払った。なお、社会保険料などの天引き額として30,000円を差し引き、残りを現金で支払った。

上記、シチュエーションは想像できますでしょうか?アルバイトや会社員として給与をもらった経験がある方は容易に想像ができるかと思います。会社は給与より本来、個人が支払わなければならない、税金や保険料を天引きして、まとめて支払先に個人の代行という形でお金を払ってくれています。この際、あくまで支払の代行となりますので、お金は誰の財布から払うかというと、従業員個人なのです。ですが天引きとしていったん従業員個人より預かり、それを代行して払うため、「預り金」は負債となります。なので、仕訳としては左側、給与(費用)200,000円、右側に預り金(負債)30,000円となり、残額を現金170,000円として右側に資産の減少として記録しています。

ちなみに「預り金」目的別に区別することを意図として「社会保険料預り金」「源泉所得税預り金」などと区別する勘定科目を使用する場合もあります。これも検定試験を考えた場合、問題資料から何を使用するかを読み取って選択することになります。たまあに、問題の欠陥があり、別解(何を使用しても○)となることもあります。

そしてこの「預り金」の話には、派生論点があります。何気なく考えれば負債の減少の記録となりますので下記のような仕訳の形で終わります。負債の減少は左側に記録すればおしまいでしたね。

法定福利費

派生論点がつくのは、「社会保険料」を支払ったときにでてきます。厚生年金保険料などは法律で従業員が一人で負担するのではなく、その一部を会社が負担することになっています。一部というのはいくらか?となりますが、日商簿記検定の問題を解答するうえでは半額と覚えておいてください

範例④ A商店は社会保険料を本日、従業員負担額30,000円と会社負担額をわせて現金で支払った。

仕訳で解説します。まず従業員負担額は給与より天引きしていました。負債で記録されていた内容を今回支払うことにより義務を果たしました。義務の減少、負債の減少として左側、預り金30,000円と記録です。そして今回、会社負担額も払っています。問題文を例示したように「会社負担額はいくらか?」と探しそうになりますが、問題文に具体的な金額がないことが多々あります。そのときは「半額負担」としてみなしてしまい解答してください。

そして会社負担額は会社が支出することになった要因「法定福利費」(費用)で記録することになります。左側、法定福利費30,000円と記録して、あわせて現金(資産)の減少60,000円を右側に記録します。

以上で今回のテーマの解説とさせて頂きます。給与の記録は比較的出題傾向が強い内容です。解説した「立替金」「預り金」「前渡金」など債権債務を見てきましたが、「法定福利費」も非常に多く出題されます。しっかりと問題を解く勉強を行って、反復練習してください。

最後までお読み頂きありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします。

さるや
  • さるや
  • 鎌倉市在住/簿記の元講師/現在は一般事業会社にて経営企画として経験を積んでいます。/専門は工業簿記・原価計算/社会人講座クラスを3級・2級・1級工業簿記を担当

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です