簿記3級 見越し・繰延べのまとめ

みなさん、お越し頂きありがとうございます。さるやです。

今回のテーマも日商簿記3級の試験で必ず100%出題される費用、収益の見越し・繰延べと呼ばれる内容の総まとめについて書いていきます。見越し・繰延べ呼ばれる処理は決算にて行います。そもそも決算とはどんなことをするのか?

決算とは

決算の前提を思いだしてください。決算整理の内容を解説するときは必ず前提を話しているのですが、そもそも決算に行われる「決算整理仕訳」の目的は何でしたっけ?

上記に示したように、簿記のルールに沿って、日々記録をしていますが、一部ルールを正しく反映していたとしても防ぎようがない記録のズレが発生してしまいます。記録のズレというのは「一定期日の財政状態」「一定期間の経営成績」という視点を中心に考え貸借対照表や損益計算書を正しく作成することを考えると修正する仕訳、つまり「決算整理仕訳」が必要になってきます。

○見越しの定義

対象となる費用、収益は決算日をまたいで来期に支払う、または受取れる費用、収益の内、当期分に属するものが対象となります。その代表的な勘定科目は賃借料や支払利息、受取利息などです。

○繰延べの定義

対象となる費用、収益は決算日をまたいで前もって支払った全ての費用、決算日をまたいで前もって受け取った全ての収益が対象となります。その代表的な勘定科目は支払家賃や支払利息、受取利息などです。

対象となる費用や、収益は時間の経過によってその支払額や受取額が決定する性質を持っています。時の経過を意識して利息の発生の仕方を図で表します。

上記は黒の矢印の向きが時の経過を表し、赤の点線が利息の増え方を表し、青い三角図が利息額を表しています。例えば100,000円を借入日より利率年3%した場合の計算は100,000円×3%=3,000円と計算されますね。その3,000円は年利率3%分の利息です。つまり年利率は借入金を1年間借りっぱなしの状況の場合の1年後の利息の割合を意味します。上記の図でいうとちょうど1年後の三角形の面積のすべてです。この面積部分が1/1を借入日として1年後の決算日12/31の期間ちょうどであれば、決算整理仕訳はいりません。なぜなら、「一定期間の経営成績」を表す損益計算書の会計期間と一致するからです。

下記のような状況となった場合いかがでしょうか?

示したように、損益計算書の対象期間である会計期間(1/1~12/31)と利息の利払日とのズレが生じます。「一定期間の経営成績」という定義で損益計算書を作成することなので、今回、損益計算書には、決算日を基準にした左側の期間分については報告する必要があります。

これらのことを踏まえて見越し・繰延べの性質をまとめると下記になります。

○まとめ

このまとめにあてはめると、下記は決算日を基準とした左側の該当の会計期間の収益を正しく反映するために、未収のため記録されていない収益を加算するために決算整理仕訳を行います

一方、繰延べは下記のような時にあ決算日を基準とした左側の該当する会計期間の費用を正しく反映するために前払である費用を減算する決算整理仕訳を行っています。

このように、見越し繰延べは簡単にいってしまえば加算、減算する修正です。覚えづらい方は下記の覚え方を参考にしてください。かなり強引ですが失笑しないでくださいね。

この覚え方は私が学生時代に教わった先生の言い回しです。かなり強引な覚え方ですがイメージがつきやすく効果てき面でした。あくまで参考にしてください(笑)

以上が、見越し・繰延べの決算整理仕訳のまとめとなります。応用論点があるのですが、それは試験直前で見ていただければよいです。

最後までお読み頂きありがとうございました。

さるや
  • さるや
  • 鎌倉市在住/簿記の元講師/現在は一般事業会社にて経営企画として経験を積んでいます。/専門は工業簿記・原価計算/社会人講座クラスを3級・2級・1級工業簿記を担当

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