簿記3級 減価償却費 決算整理

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今回のテーマは固定資産の決算整理を確認していきます。

まず初めに、決算において、「決算整理」を行うことの理由を確認します。簿記の目的は2つありました。①「一定期間の経営成績を明らかにすること」②「一定期日の財政状態を明らかにすること」でした。これら2つの目的を果たすために簿記は一定のルールに基づき日々の記録が行われていき、最終的には損益計算書と貸借対照表を作成していきます。決算においては、日々の記録は簿記のルールに基づき正確に行われてきてはいるが、ルールでまかないきれない、どうしても生じてしまう、記録上のズレ、矛盾が発生してしまいます。そのようなズレは矛盾な点を簿記の仕訳を使って微調整を掛けていく全般の仕訳を「決算整理仕訳」と呼び、微調整を掛けていく事項を「決算整理事項」と呼んでいます。

今回は決算整理事項の一つである固定資産の決算整理仕訳を見ていくことになります。なぜ、固定資産が決算整理する対象であるか?それは、固定資産は使用すれば消耗し、購入時点と同じ価値とは言えなくなるからです。

私たちの実生活の中でも、中古市場が存在しています。その時の価格を見たとき新品と同じ価格では販売されていませんよね?モノの状態を考慮して価格が決定されているはずです。そのようなイメージと同じように、簿記の目的である②「一定期日の財政状態を明らかにする」という目的があるのに、購入した固定資産がいつまでも新品の価値のままであるはずがありません。使用した分だけ価値を消費したと考えて、現在の価値(帳簿価額)に修正していくのです。どれだけ消費したのかは、正確に測定することはできませんので、耐用年数と呼ばれる期間内では均等に消費しているとみなし計算をするのが3級の処理の仕方です。耐用年数は簿記の問題上は資料として与えられます。安心してください。実務上では国税庁が出している耐用年数表を使って計算していきます。

ルールに沿って計算し消費された価値とみなした金額を簿記では「減価償却費」と呼んでいきます。減価償却費の記録の仕方は種類ありますのでまずは各々紹介していきます。

○直接法【※2019年6月検定試験より2級の論点となりました】

直接法は購入し記録した「取得原価」から直接修正を加える記録方法です。したがって、決算整理仕訳をした後は該当する固定資産の残高がイコール帳簿価額として示されることになります。

範例① A商店は本日(12/31)決算を迎え、備品の減価償却を定額法により行う。なお備品は取得日1/1、取得原価300,000円、耐用年数8年、残存価額は取得原価の10%、記帳方法は直接法とする。

まず前提条件を確認しますが、備品の記録は範例①の資料にある通り、1/1にすでに行われていることが前提です。したがって、上記備品勘定を示したように左側に300,000円の記録がされています。1/1時点での現在価値はほぼ未使用に近いので300,000円といえるのですが場面は12/31です。1年たちました。なので1年間で使った価値をみなし計算します。

その際に使用する資料は当然、取得原価300,000円と耐用年数8年、そして残存価額10%です。残存価額とは使用し続けていても鉄くずなどとして、元の取得原価の10%くらいは価値が残るであろうとみなした割合になります。なので今回は300,000円の10%、つまり残存価額は30,000円となります。そして300,000円からこの30,000円を差し引いた270,000円が耐用年数8年間で消費できる価値とみなします。この270,000円の価値を8年間で均等に消費したとみなす処理計算方法が定額法と呼ばれる方法になります。範例の数字を使って説明しましたが、これは覚える公式です。下記のように示しておきます。

今回の範例は1年間の期間でしたが、計算としては決算までに消費した期間を考慮するので月割り計算がある場合もあります。

範例①に戻ると、270,000円の金額を8年で割りますので、1年間に消費した金額、減価償却費は33,750円と計算されることになります。そして今回、記帳方法は直接法です。この方法は直接、金額を修正する方法なので、下記のような仕訳を行って修正します。

左側に資産を減少させた要因として費用に属する減価償却費33,750円と記録します。そして備品を直接減少させるため右側、備品33,750円を仕訳します。その結果、備品勘定の残高は下記のような状態です。

上記のような勘定記入が行われ、12/31現在の備品の価値は簿価である266,250円と修正され、貸借対照表に示されることになります。

○間接法【2019年6月検定でも3級の論点です】

今度は同じ数値例を使用して、記帳方法が間接法を紹介していきます。出題実績は圧倒的に間接法です。しっかり覚えてください。違うのは仕訳の方法だけで、減価償却費の計算は全く同じになります。

範例② A商店は本日(12/31)決算を迎え、備品の減価償却を定額法により行う。なお備品は取得日1/1、取得原価300,000円、耐用年数8年、残存価額は取得原価の10%、記帳方法は間接法とする。

仕訳だけまず紹介します。下記となります。

間接法の仕訳は左側は全く同じですが、右側の記録に違いがあります。右側、減価償却累計額33,750円と記録します。ちなみに減価償却累計額は特別な勘定科目です。属性として資産や負債などどれにもあたりません。評価勘定と呼ばれています。評価勘定とはその名の通り対象となる資産の価値を適正に表示するために設けられ、補助的な役割をする勘定です。直接法と違い、資産そのものに修正は加えませんが、評価勘定と合わせることにより資産の簿価が表されることになります。

勘定記入のイメージは上記の通りです。直接法と結果は変わりません。簿価は266,250円となります。

間接法は実務上でも圧倒的に採用される方式です。税金計算との絡みもあるかもしれませんし、売却時に最初の取得原価を残したままの方がよいとされていると考えられます。

以上で固定資産の決算整理、減価償却費となりなす。検定試験には100%登場する論点です。手持ちの問題集を利用して、反復練習を行ってください。計算は簡単に思えるかもしれませんが、月数計算が絡むと非常に正答率が落ちます。計算になれるように頑張りましょう。

最後までお読み頂きありがとうございました。

さるや
  • さるや
  • 鎌倉市在住/簿記の元講師/現在は一般事業会社にて経営企画として経験を積んでいます。/専門は工業簿記・原価計算/社会人講座クラスを3級・2級・1級工業簿記を担当

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