2019年度3級試験範囲改定について

みなさん、お越し頂きましてありがとうございます。さるやです。

今回は、2019年6月検定試験より日商簿記検定3級の出題範囲が改定されるということで、そちらについてレポートさせて頂きます。

近年、試験の主催者側である日本商工会議所は、現代の実務に照らし合わせたスキル取得を意図とした出題範囲の改定を行ってきました。今回の改定もその方針が非常に濃く反映されている感じがします。

○追加論点

3級といえど株式会社の簿記に染まりつつある近年、より本格的な論点が2級から降りてきたという印象でしょうか。消費税など今までなぜなかったのか不思議な論点もありますし、固定資産台帳など、実務チックな帳簿が論点として入ってきていますね

具体的に問題としてどのように出題されるのか楽しみです。

世の中の情勢を表し内容としては、電子記録債権・債務やクレジット売掛金などの論点でしょうか。

各論を確認していかないと不明な点も多いですが、印象として単純に個別論点が増えただけで、覚える量が増えた印象です。難易度はそこまで高くならない気がします。

○削除論点

削除論点を見ると完全に個人商店が前提という内容を排除しにきていますね。完全な株式会社を前提として簿記の基礎を学ぶ位置づけにしたい意図でしょうか

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○上位級へ移動

移動論点については、これから3級を受ける方にとっては良かったといえるのかどうかは何ともいえないです。恐らく多くの方が2級までは最低限取得を目指すことであると思いますので、単純に論点が後回しにされたとしか言えません。

手形取引については為替手形が3級からなくなり、ついに裏書、割引きまでなくなるというと、これまで3級は手形で苦しんでいた方が多い印象であったので3級の合格という見方だけすればよかったのかもしれませんね。

減価償却費の直接法や商品券の発行は一応移動となっていますが、本当に試験に出題するのか疑問に残る移動です。

○処理の一部変更

当座借越について

期中については預入、引出を当座預金のみで処理するとのこと。一勘定制のような処理を期中するのでしょうか?そして決算において当座預金勘定の残高がマイナス残であれば当座借越勘定へ振り替える決算整理をするそうです。

消耗品について

期中処理として「消耗品費」での処理しかしない前提のようです。そして期末において決算整理仕訳を行わないとのことです。第5問目の決算整理事項がますます少なくなってきますね。

以上、2019年6月検定試験より改定される日商簿記3級の出題範囲についてレポートしてみました。感想としては昔の3級に比べると非常に内容は楽になったと感じます。その分2級1級などの上位級で苦労することになるのですが…

主催者側の気持ちを考察する3級で簿記の楽しさをしってもらって、2級で少し苦労してもらうという意図でしょうか?したがって3級は優しく、2級は少し壁、1級は絶壁というレベル感にしているかもしれませんね。

多くの方は日商簿記2級を目指されるかと思います。出題範囲が変わっても上位級を確実に合格するためには基礎である3級での地固めが非常に大切です

根気よく問題練習を行って、1発合格をぜひ目指してください。

最後までお読み頂きましてありがとうございました。

さるや
  • さるや
  • 鎌倉市在住/簿記の元講師/現在は一般事業会社にて経営企画として経験を積んでいます。/専門は工業簿記・原価計算/社会人講座クラスを3級・2級・1級工業簿記を担当

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